WATARU YAMAZAKI Exhibition “Garden of Shadows”

このたびギャラリードゥポワソンでは山崎航による個展を開催いたします。

日本の伝統彫金技法を学び、それらを生かした独自性の高いジュエリーを制作する山崎。繊細な手仕事によって作られるゴールドやシルバーの草花など、控えめでありながらも思わずじっと見入ってしまうような存在感のある作品は世代を問わず人気を集めています。

「Garden of Shadows」と題された今回の個展では、「光と影」を手がかりに、新たな技法と構成による表現を試みています。日常の中で目にとまる自然の光と影の表情を、金属の質感と形の中にとどめた作品群が発表されます。

——— 風に揺らぐ植物の影、樹皮の表面に宿る陰影、水面にきらめく光。

その一瞬の表情を写真やスケッチに収め、そこから形を選び取り、写実と抽象のあいだを行き来しながら制作されました。形の由来を追えるものもあれば、影だけが残り、記憶の輪郭のように揺らぐものもあります。何気ない自然のなかにある光と影が、金属の中で静かに息づく様子。そのようなものを身につけられる形に、という思いから新作が作られました。

新作のひとつは、切り嵌め象嵌という手法を用いたシリーズ。丁寧にトレースされた風景の一部分が、黒味銅や四分一といった日本伝統の合金にシルバーのパーツを嵌め込んだ色面で表現されています。四分一には煮色仕上げを施すことで美しい銀灰色に変化し、滲みもやわらかな表情に。一方の黒味銅と銀の組み合わせはメリハリのあるモノトーン。どちらも風景写真の一部を身に着けるような趣があり、小さなフレームの外に広がる世界に思いを馳せられるようなブローチやピアスとなっています。

また、蝋流し象嵌で作られたオーバル形のブローチはより艶やかな質感のある仕上がりに。水面のきらめきや木漏れ日といった手では掴めない現象を写したかのような模様に、蝋流し象嵌のプロセスで生じる自然な気泡や収縮による痕跡が独特の風合いを生んでいます。

いずれも高い技術と素材への深い造詣を必要とする伝統的な金属工芸技法ですが、品のある佇まいとともに現代的な軽やかさやデザイン性を兼ね備えたバランス感がWATARU YAMAZAKIのジュエリーの大きな魅力です。

本展は新作40〜50点に加え、人気の定番シリーズなども揃い、約100点に近いボリュームで構成されます。どうぞこの機会にご高覧ください。


WATARU YAMAZAKI

Garden of Shadows

2025. 12. 6 sat. – 12. 25 thu.  12:00 ~ 18:00 

月曜休廊 / Closed on Monday

会場 / Venue

gallery deux poissons

東京都渋谷区恵比寿2-3-6 1F

Tel. 03-5795-0451

作家在廊日 / The designer will be at the gallery on

12/6 (13:00-17:00), 12. 7 (14:00-17:00), 12.14 (13:00-17:00), 12/20 (13:00-17:00)

※ 在廊日時は変更する可能性がございますので、最新の情報はSNS、もしくはギャラリーに直接お問い合わせください。

※ Dates and times when the artist will be present are subject to change, so please check our SNS or contact the gallery directly for updates.


※ 会期中一部の作品は、ONLINE SHOPからもご購入いただけます。

(販売開始予定日時:12/10 (wed) 12:00 – )


WATARU YAMAZAKI | 山崎 航

1978年生まれ。2000年専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジを卒業後、鍛金家 井尾建二と彫金家 泉良一に師事し、金属と向き合う基礎と姿勢を身につける。

『伝統工芸金工展』『日本伝統工芸展』入選。伝統彫金技法を用いたジュエリー制作を始める。重要無形文化財伝承者養成事業に参加。日本伝統工芸会準会員。

現在は個展を中心に活動。また青山彫金教室の講師も務めながら、制作と指導の双方に取り組んでいる。

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