Jiro Kamata Exhibition 『 OCULUS 』

ギャラリードゥポワソンではこの度二年ぶりとなる鎌田治朗の個展を開催いたします。2000年から2006年にかけてミュンヘン国立美術アカデミーにて、コンテンポラリージュエリーの先駆者であるオットー・クンツリのもとでジュエリーを学んだ鎌田は、以来、ミュンヘンを拠点にジュエリー作家として国際的に活躍しています。

「OCULUS」Pendant / Quartz lens, PVD coating, silver, nylon string


独自の視点で従来のジュエリーとは異なる素材を用い、アーティスティックなアプローチとデザイン性を兼ね備えた作品を生み出している鎌田が長年に渡って取り組んでいるのは、光と反射の現象に着目したレンズや鏡を用いたジュエリーシリーズ。

本展ではクォーツレンズを用いた新作『OCULUS』が発表されます。Oculusとはラテン語で「目」を意味する言葉。目をモチーフにしたジュエリーは古代エジプトをはじめ、様々な時代や文化で使用されてきた古典的かつスピリチュアルなアイテムです。かつてローマの古代建築パンテオンを訪れたという鎌田。ドーム状になった屋根の中心部にある円形の巨大な天窓は目の形状をしていることからOculusと呼ばれ、光が降り注ぐとパンテオン内部を神秘的に照らす光景が忘れがたく、今作のインスピレーションの源となりました。

今回の作品では、オーダーメイドでドーム状にカスタマイズされたクォーツレンズを使用し、レンズの表面には反射を抑え透明度を高めるためのARコーティングを、裏面には様々な色とリフレクション効果を出すためにPVDコーティングを施し、レンズの内部に目のような形を浮かび上がらせています。小さなクォーツレンズがリズミカルに並んだブローチやペンダント、リングには華奢さや色使いの華やかさも加わり、大ぶりなカメラレンズを大胆に配置したマニッシュな印象の前作とは違った雰囲気に仕上がっています。

「OCULUS」Brooch / Quartz lens, fein-gold coating, 18K gold
「OCULUS」Brooch / Quartz lens, PVD coating, silver

本展では、Oculusシリーズ約40点、Holonシリーズ約30点がお目見えします。「古典的なジュエリーのモチーフを現代的に再構築し、宝石をレンズに置き換えることによってジュエリーの価値を探っていきたい」と語る作家の新境地をぜひこの機会にご高覧ください。

*会期中一部の作品は、ONLINEからもご購入いただけます。
(販売開始:5月17日(水)15時スタート)
ONLINE SHOP はこちら


Jiro Kamata Exhibition 『OCULUS』
2023年 5月13日(土)〜 5月28日(日)12:00 – 18:00
月曜休廊 / Closed Monday

会場
gallery deux poissons
東京都渋谷区恵比寿2-3-6 1F
Tel. 03-5795-0451

作家在廊日(予定)
5/13(土)12:00 – 18:00
5/14(日)12:00 – 18:00
5/24(水)15:00 ~ 18:00

オープニングレセプション
5/13(土)16:00 – 18:00

※ 在廊日時等は変更となる可能性がございますので、最新の情報はSNS、もしくはギャラリーに直接お問い合わせください。


Jiro Kamata / 鎌田 治朗

1978 年生まれ。1998 年に山梨県立宝石美術専門学校を卒業後、98-99 年フォルツハイム造形大学ジュエリー科に学ぶ。 2000-06 年ミュンヘン国立美術アカデミーにてオットー・クンツリに師事、2006 年にマイスターシューラーを取得、修了。2009 年よりミュンヘン国立美術アカデミー、ジュエリー科で助教を務めた。非伝統的な素材をジュエリーに昇華し、視点の変換がもたらす価値観の鮮やかな覆りを限りなくエレガントに、ミニマルな形で表現する。その独自の感性から創出される作品は、日本、海外において高い存在感を放っている。ミュンヘンを拠点とし、アメリカやヨーロッパを中心に各国で精力的に展覧会を行い、新作を発表している。ドイツ、オランダ、アメリカ、台湾の美術館のパブリックコレクションなどに所蔵されている。これまで個人の作品集として『VOICES』(Arnoldsche Art Publishers, Stuttgart, 2019)、『MOMENTOPIA』(Deutsches Goldschmiedehaus Hanau, 2008)などを発行。

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