Esther Heite Exhibition “…”

ギャラリードゥポワソンではこの度初めてのご紹介となるエスター・ハイテの個展を開催いたします。
ドイツ・エッセン出身のエスター・ハイテは、五年間ゴールドスミスとして経験を積んだ後、デュッセルドルフ応用科学大学にて応用芸術とデザインの分野で学士号を取得し、2019年より自身の活動をスタートした新進気鋭のジュエリーデザイナーです。卒業時にはドイツのコンテンポラリージュエリーの主要なギャラリーであるMarzeeからGraduate Prizeを受賞するなど、その作品には各方面から注目が集まっており、現在に至るまでヨーロッパを中心に個展やグループ展での発表を重ねています。
幾何学的な要素をベースとしたミニマルで明快なフォルムやクリーンな質感の中に、きらりと光るディテールやさりげないユーモア。また、サステナビリティを重視し、高品質で流行に左右されないデザインを大切にするなど、エスター・ハイテのジュエリーは現代の私たちの暮らしにすっと馴染む価値観を携えています。
その作品の最大の特徴は、クラフトマンシップとテクノロジーのユニークな融合。卒業制作以来、主にステンレスの精密溶接に取り組み、実験と素材リサーチを続けているエスター。溶接の点を目立たなくするのではなく、溶接のプロセスによって生まれる跡そのものをジュエリーの中心的な構成要素として取り込んだデザインは秀逸です。
代表作の一つが「SIGNET RING」シリーズ。シンプルな面で構成され、面と面をつなぐ役割を果たしている等間隔に並んだ溶接跡が装飾としての機能を持ち、それによってリングのエッジがブリリアントカットのダイヤモンドをはめ込んだかのように見えます。同様に、一本のステンレスワイヤーで構成された「SLING EARRINGS」や中空に仕立てられた「SHERE RING」でも溶接跡のドットがさりげなくきらりと光る装飾になっており、ステンレスと溶接という無骨とも言える組み合わせを工業的な美として成立させ、エレガントなデザインに転換しています。
「オブジェクトと人の身体がどのように相互に作用し合うか」ということに着目しながら、エスター独自の方法でジュエリーから一点もののアート作品まで多岐に渡る創作を行なっています。
本展では、シリーズで展開されているジュエリーコレクションのほか、ユニークピースやジュエリースカルプチャーも発表されます。日本国内では見られる機会のまだ少ないエスター・ハイテの作品。どうぞこの機会に会場にてご覧ください。
Esther Heite Exhibition
“…”
2025. 4. 19 sat. – 5. 4 sun. 12:00 ~ 18:00
月曜休廊 / Closed on Monday
会場 / Venue
gallery deux poissons
東京都渋谷区恵比寿2-3-6 1F
Tel. 03-5795-0451
※会期中一部の作品は、ONLINE SHOPからもご購入いただけます。
(販売開始予定日時: 4.23 wed. 12:00 – )
https://gallerydeuxpoissons.katalok.ooo/ja
Esther Heite / エスター・ハイテ
ドイツ・エッセン出身。ドイツのジュエリー作家のもとで五年間ゴールドスミスとして経験を積んだ後、デュッセルドルフ応用科学大学にて応用芸術とデザインの分野で学士号を取得し、2019年よりフリーランスとして活動を開始。以来、ドイツをはじめ、ベルギー、オランダ、スペイン、デンマーク等、ヨーロッパ各地にて個展、グループ展を行ない、作品を発表している。
2019年 Marzee Graduation Prize / JPLUS Emerging Talented Award 2019 by Klimt02受賞、他。